【日本"学校"の祖】
岡山県備前市にある特別史跡・閑谷(しずたに)学校は、江戸時代、武士のみが教養を身に付けていることが常識だった頃、岡山藩主は、当時最高の教養とされていた「儒学」を、一般庶民まで門戸を広げるために設立された"日本国内初の庶民のための学校"です。
江戸時代は、武士が武力で領民を従わせて国を統治することが一般的だったなか、岡山藩主は「儒学」のなかの「人格形成」の考え方のほうが、武力に頼ることよりも、国づくりには必要だと考えて、儒学教養の裾野を一般庶民まで広げて国をつくりました。
旧閑谷学校の「人格形成」の教えは、現代の学校教育の基礎となっていることから、歴代皇太子様が、天皇即位前に、必ず旧閑谷学校をご視察にお越しになられます。
旧閑谷学校は、戦災を全く受けず、設立当初のまま現存しています。庶民の学舎の舞台だった講堂は『国宝』と認定され、そして最近では、『日本遺産第1号』に認定されました。
秋には、正門前にたたずむ樹齢100年の2色の楷の木が見事に色づき、岡山県屈指の紅葉スポットになります。今年のライトアップは、11月14日まで。